日本の国益


by Jam
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「時代に適応した風営法を求める会」通称「風営法改正議連」その実態とは



パチンコが突きつける「賭博民営化」の矛盾
カジノとクラブの法改正に暗雲

木曽 崇
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20140227/260342/?rt=nocnt
2014年2月28日(金)1/4ページ



2月14日、自民党本部。恋人達の愛の誓いの日とされるスウィートな記念日に、「時代に適応した風営法を求める会」という仰々しい名称の議員連盟の発起人集会が行われました。

通称、「風営法改正議連」と呼ばれるこの議員連盟は、自民党法務族の重鎮である
保岡興治(ヤスオカ・オキハル)氏(元法務大臣) を会長とし、野田毅(ノダ・タケシ)氏(元国家公安委員長)高村正彦(コウムラ・マサヒコ)氏(自民党副総裁/元法務大臣) と、法務系の重量級代議士が脇を固める万全の陣容でスタートしました。




<引用>
自民、風営法改正へ議連設立

自民党の有志議員は14日、風営法改正を検討する議員連盟を設立した。風営法は「設備を設けて客にダンスをさせ、飲食させる営業」を許可が必要な風俗営業と規定し、警察当局がダンスや音楽を楽しむ「クラブ」などの取り締まりを強化している。これに対し法改正を求める署名運動が広がっている現状などを踏まえ、規制の妥当性を幅広く検証して法改正につなげる。

 



この議連の設立に関して、ロイター通信などは「ダンスクラブに関連する法改正を目的とするもの」と報じています。


ですが、その実態は全く違います。


そもそもダンスクラブに関する風営法改正では、それを目的とする「ダンス文化推進議員連盟」という超党派の議員連盟がすでに存在しており、わざわざ自民党単独の議連を立ち上げる必要はありません。


当然、この議連の設立の背景には別の思惑が存在するのです。




真の狙いはパチンコ法制化


驚くべきことに、実は2月14日の議連発起人会合では報道のような「ダンスクラブに関する風営法改正」に関する議論はほとんど行われていません。議連の初会合に民間側から講師として招かれたのはパチンコ系の業界団体の面々です。

会の中でまず法改正を訴えたのは一般社団法人余暇環境整備推進協議会の理事を務める渡邊洋一郎弁護士。そこでは同氏らがかねてから主張してきた「パチンコ/パチスロにおける換金の法制化」が語られ、その見返りとしてプレーヤーが行う換金行為に対して1%の徴税を課す「換金税」の導入提案がなされました。




ぶら下がりと踏み台

また、そこでは別のパチンコメーカー系の業界団体が構想を練ってきた新型パチンコ機の導入に関する規制緩和案も語られたとのことです。関係者の間では今後の勉強会スケジュールも配布されていますが、その内容は大半がパチンコに関連するものとなっているようです。つまり、この議連はメディアによる第一報とは異なり、実態はパチンコに関連する規制緩和を中心として風営法改正を検討する議員連盟であるといえます。


なぜこの時期に急にパチンコ規制の緩和が語られ始めたのか。2つの理由が存在します。


まず、ダンスクラブ業界が巻き起こした風営法改正に向けた潮流です。近年、急速に拡大する警察庁によるダンスクラブの摘発強化ですが、それに対抗するものとして2012年の半ば頃からクラブ業界およびそのファンが中心となった法改正運動が巻き起こりました。

その結果、現在、風営法改正は安倍政権の行政改革の司令塔の一つである規制改革会議に持ち込まれ、この6月までに結論を出すという重点検討項目の一つに位置付けられています。今回のパチンコ業界による風営法改正論は、ダンス業界の巻き起こしたこれらの動きに便乗しようとするものと言って間違いありません。


一方、彼らが便乗しようとする、もう一つの論議がカジノ合法化です。昨年12月、日本のカジノ合法化を推進する「IR推進法案」と呼ばれる法律案が国会に提出されました。この法案は、早ければ今年の予算関連法案の処理が終わった後、すなわち4月末もしくは5月上旬から審議が開始される見通しです。

パチンコ業界は、かねてからこのカジノ合法に紐づける形でパチンコ換金の法制化論を展開してきました。しかし、これまでの業界内の論議では法制化に向けた世論形成は程遠く、すでに国会審議に向けて「秒読み」の始まったカジノに対して「このままではパチンコが置いていかれる」と焦りが募っているのが実態です。


すなわち今回の議連組成の動きは、単独で法制化に向けた国論喚起ができないパチンコ業界が、すでに法案提出が行われたカジノ合法化論に「ぶら下がり」、この6月に法改正に向けた方針が発表されるダンスクラブの規制緩和論を「踏み台」にしながら、換金法制化の実現に向けて動き出した結果であるといって問題ないでしょう。



このパチンコ業界の動きは、カジノ、ダンスクラブの双方の法制化論に影を落としつつあります。ダンスクラブに関する議論では、現在禁止されている深夜営業の解禁や、許可取得に求められる様々な要件緩和などが中心です。


一方、今回パチンコ業界が目指す換金法制化や換金税の導入は、それら営業規制の緩和とは根源的に論議の軸が異なるものです。これらパチンコ制度改正とセットでの改正論となれば風営法改正のスケジュールに間違いなく遅れが出てくることとなるでしょう。それを何とか避けようと、現在、ダンスクラブの規制緩和を求めるダンス文化推進議連と、パチンコの規制緩和を求める風営法改正議連の間で調整が進められている模様です。


そして、パチンコの換金法制化論が大きくなればなるほど、切り分けが難しくなってくるのが我が国のカジノ合法化議論です。

実は、現在国会に提出されているカジノ法制案は、我が国で初めての民間による賭博事業を認めるという法律案となっています。国が地方自治体からの発議に基づいてカジノの開発区域を指定した後、その区域にて実際にカジノ事業を行う権利が民間企業の間で争われるというものです。


我が国は刑法によって賭博を原則禁止してきました。例外的に四大公営競技、宝くじ、サッカーくじなどが制度上認められてきましたが、すべての賭博事業は「公による独占業務」です。この既存の賭博制度とこれから国会審議の始まるIR推進法案には大きな制度上の乖離が存在しており、刑法解釈の変更が必要となります。そして、ここに民営カジノ論議とパチンコ換金の法制化論を切り離せない理由が出てきます。



パチンコ、「上場」という悲願


現在の我が国の法制上、パチンコは「賭博ではないもの」として存在していることは皆さんもご存じの通りです。パチンコは、その営業手法やそこで提供されるゲームが「著しく客の射幸心をそそる」ことのないように、風営法によって様々な制限が行なわれています。これが、パチンコがあくまで「遊戯」であるという法解釈の根拠となっています。

特に議論になることの多い景品問題に関しては「営業者が客から直接景品を買い取ること」はもちろん、「間接的に買い取らせること」までもが制度上禁止されています。その結果、店舗から切り離された第三者がプレーヤーから景品を買い取るという「三店方式」と呼ばれる景品流通制度が存在しているのです。三店方式については色々な意見がありますが、少なくとも警察庁は「直ちに違法となるものではない」とする行政判断を行っており、適法行為として定着しています。

それなのになぜパチンコ業界に法制化を求める動きが根強いのか。彼らの悲願は「上場」にあります。

現在、日本の株式市場は三店方式が法律的に明確に担保されていないことから、投資家保護などを理由にパチンコ業者の上場を認めていません。

経営において資金調達の手段が限定されていることは、大きな足かせとなっています。また、上場で外部の目にさらされないことが、業界内の多くの企業がファミリービジネスから脱却しきれないという状況を生み出し、閉塞性にもつながっています。

だからこそ、換金を法制化して三店方式の課題を払拭したいと考えているのです。




賭博の民営化という矛盾


今回の議連発起人会合にてパチンコ業界側から提案が行われた「換金法制化」案は、行政判断によって「違法ではない」とされている現在の景品買い取りを制度の中で認め、パチンコ店内での直接換金行為を実質的に可能とさせようとするものです。

これまでの刑法解釈上で行われてきたパチンコと賭博との線引きを大きく踏み越えるものであり、「賭博事業は公の独占業務」とされてきた既存の法制下では認められるはずがありません。



しかし現在、国会の中では一方で民営賭博を前提とするカジノ合法化論が提案されているわけで、これが実現すればパチンコ換金の法制化を阻んできた様々な制度的な前提を根底から覆すことができるのです。

ここに、パチンコ業界が我が国のカジノ合法化議論に「張り付き続けている」狙いがあるといえます。



現在提案されている「民営賭博」としてのカジノ合法化に対する反対論は根強く存在しており、実は私もそうした意見を持っています。パチンコ業界の換金法制化とセットにならざるを得ないようなカジノ合法化論は、国民の合意を獲得するのが難しいのではないでしょうか。

民営カジノの実現には、我が国において脈々と受け継がれてきた「賭博事業は公の独占業務」とする法令解釈を変更する必要が出てきます。その実現には、パチンコを統制する風営法のみならず、各公営賭博の論拠法、FXや商品先物取引を統制する金融先物取引法など、様々な法令との整合性の検証が必要であり、一朝一夕に実現するものではありません。

東京五輪開催となる2020年を目標としているカジノ合法化において、このような悠長な議論を行っているほどの時間は残されていません。私自身は日本のカジノ合法化は、最終的に現行の公営賭博制度に準じる制度を維持しながら、一方で民間の資本力やノウハウを100%活用できるように配慮するというものに転換をせざるを得ないと考えています。この4月末にも法案審議が始まるとされている我が国のカジノ合法化ですが、一方のパチンコ業界が換金法制化に向けて粛々と準備をしている中で、国会における審議がどのように変遷していくかに注目が集まります。
--ここまで--




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by koubou-ohayou | 2014-03-28 18:55 | 生活保護不正受給問題 パチンコ